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種子の発芽条件 [生態]

以前からまとめてみたいと思っていた種子の発芽条件についてのお話を少々します。まず、植物の生育と光の波長成分(つまり色)との関係です。日ごろ愛読している本で『エンジニアから見た植物のしくみ―環境と闘う驚異のメカニズム (ブルーバックス)』(Amazonへリンク)という小さな本がありますが、この中に出てくるお話を少し補充したものです。詳しく知りたい方は原典に当たってみてください。

植物は生育過程で、光合成と光形態形成を行いますが、この反応の中で特定の波長の光を吸収します。光合成では、フィトクロムという物質を使い、660nmと730nmの光を吸収します(色として黄色から赤色です)。また光形態形成では、カロチノイドという物質が、450nm(青色の光)を吸収します。図で書くとこんな感じ。(ちなみに、光合成では糖類を作り植物の体を作る栄養素を生成し、光形態形成では芽を出したり光の方向に葉を伸ばしたりする作用をします。)

植物光吸収のコピー.jpg

植物の色が緑色なのは、じつは利用していない緑色の光が反射したり透過したりするためです。図をみると吸収されていない光の領域は緑色の部分で、これが目に飛び込むというわけですね(さわやか~な、緑よ~ってわけ)。あと赤色のさらに外側に、赤外領域という光がありますがこれも植物は利用していません。

ところで種子の発芽には、温度や湿度などの条件が必要ですが、光の刺激も必要です。不思議なことですが種子は発芽に際して、赤い光と赤外領域の光の強さを比較しているということです。そして赤い光が少なく、赤外領域の光が多い条件下では、発芽は起きないのです。

これは何を示しているのでしょう?赤い色が少ないということは、周囲に先住の植物が葉を茂らせていて、すでにおいしい光の成分を吸収してしまっていることを示しています。 つまり自分が他の植物の日陰にいることを、光の色で知っているということです。森の下層などは赤い光が少なく、赤外領域の光が多いということになります(むろん緑の光だらけでしょうね)。もちろん多種多様な植物の世界には、森林の下でも生育する能力を備えたものもいるとのことですが。

ここで夢想してしまうのですが、ハウスの中にたくさんサボテンを育てていると赤色の光が少ない可能性があります。このようなハウスの中で実生を行っても、発芽率は低いかもしれないなぁ・・・。家の中でやった方がいいのだろうか。経験的にも部屋でやったほうがうまくいっている気もするし。それに、ある業者さんでは実生専用ハウスでやっていたような。

また、ハウスに使っているビニール素材は、赤外光を通しやすいのだろうか、ガラスはどうだろうか・・・いろいろと思いは巡っていきます。

今日はこんな話で!

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コメント 2

ジョーイ

発芽に光は関係ないのかと思ってましたがそうでもないんですね!
参考になりました。
by ジョーイ (2010-05-12 21:32) 

saborich

こんにちは!
光が発芽に関係している話、とっても興味深いですよね。
雑草がつぎつぎと生えてくるのも、じつはこの話を関係していて、
雑草の種はものすごい量がもともと土の中に混じっているそうです。
土を掘り返したときや、木を切ったとき、表面にある種が光を感じて発芽するのだそうです。

by saborich (2010-05-12 22:39) 

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